初めての試み「こうふく通信をみんなで読む会」が昨日開催されました。編集部の現役メンバーである高校生をはじめ、読者の立場で見守っていただいている方、卒業したOBOG、これから入部を検討している高校生や、他地域の食べる通信編集長やライターさん、など、それぞれの立場で様々な視点から意見を交わし、なんとも濃密な7時間が過ぎました。
冒頭には夏号で特集した 有限会社 ニッケイファームの大竹さんにも駆けつけていただき、夏号の振り返りからスタート。課題に向き合い挑戦し続けるリアルな生産者の声に耳を傾けつつ、大竹さんの取材を通して変化した編集部員それぞれの想いを共有しました。
そして、そのあとは誌面を読み込んだ感想をグループごとにシェア。様々な着眼点から「ここはいいね!」「もっとこうしたほうが!」を真剣に議論しました。
ここで皆さんから共通して出た意見は「もっと高校生らしさを」ということ。これまでのこうふく通信は、2500円という価格の対価をしっかりと高校生に受け止めてもらうばかりに、お行儀よくまとめる方向に大人たちが知らず知らずのうちに誘導してしまっていたのかもしれません。
東松島食べる通信の太田編集長からは「人の色が出すぎてもいいし、安定したものを作るのではなくて、温度・空気を率直に生身の表現をしていいんだよ」というアドバイス。 東北食べる通信でライターをされていた保田さんからも「高校生の素朴な問いが生産者さんへの気づきになることもあるし、それは大人の読者に対しても気づきがあるはず」という、現場を経験したからこそのご意見をいただきました。受験準備のため引退した3年生の大河内さんからは「自分が編集部にいた頃「高校生らしさ」の解は、無邪気さや大人が書けないことを冗談めかして書いたりすることだと思ったけれど、私自身はロマンチストだから小説家のような(かっこいい)書き方をしたいと思った。つまり、感じたままの主観を入れることが高校生らしさであって、私がどう伝えたいかという表現上の問題ではなく、私自身の感性を大切にすることなんだと気が付いた」と経験者ならではの素直な気持ちが吐露されました。
私たちは購読料・2500円の価値の先にあるものを、追及することにもっと挑戦しようと思います。5学年にわたって受け継がれてきた想いを原点として、ぶれずに進化させていくタームです。「高校生が伝える」ことそのものが「新しい価値」に向かうためのある種の実験なのだから。100点のものを作ろう・整えよう、ということを優先にせず、高校生らしさ・彼ららしさを大切にしながらまた前に進んで行こうと思います。
そんな示唆に富む「みんなで読む会」。
頭をフル回転させてぐったりしながらも、高校生たちの目がまたキラキラとしていく様子を、OBOGの大学生たちがあたたかく見守っている様子が印象的でした。
「憧れの連鎖」を創り出す舞台として、こうふく通信はこれからも続いていきます。