【京都食べる通信】明治から続く粘り強い、久保添農園の山の芋/宮津市

2019年11月号は宮津市で山の芋を栽培されている久保添農園の久保添公哉さんを特集します。

日本三景の天橋立があるまちとしても有名な宮津市は、京のブランド産品である山の芋の産地でもあります。久保添さんは、宮津で古くから受け継がれてきた種を使って山の芋を育てています。

主に宮津市と南丹市、亀岡市などで栽培されている山の芋。宮津は他の地域に比べ、芋が大きく、粘りが強いのが特徴です。大きなものや、形の良い丸型のものが収穫できるかは、掘ってみないと分からない栽培が難しい芋。畑の水はけの良さや、畑の適度な水分量の調整で、綺麗な丸型から、手のひらのようないびつな形まで育ちます。

「バクチみたいなもんだね。1kg以上の芋を目指して作ってはいるけど、その年によって採れる量、形も様々。形によっても値段が違うから」と話す久保添さん。

山の芋の栽培は、種を植える5月頃からスタートします。種は、前年に収穫した山の芋を種として残しておいて、それを小さく切り、畑に植えていきます。その後、8月頃には、芋がどんどん太り始め、夏の時期は畑の水分量が大きく変化しないように定期的な水やりが必要になります。そして、10月中旬に山の芋のツルが茶色く枯れてきたら収穫の合図です。

収穫量の見通しが立てにくい山の芋。儲けだけの考えでは、やっていけません。「利益だけを考えたら山の芋を作らなくてもいいけど、一度山の芋を作らなくなると、種が取れなくなるから絶えてしまう。これからも宮津の伝統野菜として受け継いでいきたいです。そのためには、もっと宮津の山の芋の美味しさを知ってほしいです」と久保添さん。

そんな久保添さんの想いとともに、受け継がれた山の芋を11月号ではお届けします。

 

 

「京都食べる通信」とは?

 

 

 

京都と言われると何を思い浮かべますか?京都の食べものと言われると何を思い浮かべますか?寺社仏閣?舞妓?川床?おばんざい?豆腐?抹茶パフェ?ほかには・・・?知られていないだけで、京都にはまだまだ魅力があります。

京都=京都市だけでなく、特色ある26市町村から成り立っています。南北に伸びるエリアには海も山もあり、自然に溢れた実り豊かな地域が広がっています。京都の知られていない魅力を生産者を通して知ってほしい!そんな想いから、ホテル カンラ 京都ホテル アンテルーム 京都を運営している、まちづくり会社 UDS株式会社京都食べる通信を制作しています。

京都の魅力を探し、誌面を通してお伝えするとともにホテルに来られるゲストの方へはレストランのメニューやイベントで連動しながら実際に食べていただける場所づくりをしていきます。

 

ホテル カンラ 京都 のアフタヌーンティーは京都食べる通信で特集した食材をふんだんに使用しています

 

特集した生産者は累計18人、特集後もホテルでいただけます。

2016年11月から隔月(奇数月)発行し、2019年9月までに18人の方を特集し、その他数多くの生産者とつながり、つくる人と食べる人を繋いできました。京都で頑張る生産者を買い支え、持続的に応援していくために、ホテル カンラ 京都やホテル アンテルーム 京都では京都の食材を使用したメニュー開発を積極的に行っています。「ホテルで学ぶ、知らない京都」ぜひ、京都の生産現場を通して知らない京都を感じていただけたらと思います。