久しぶりにすんごい漁師に出会いました


鈴木剛太

新書の原稿10万字の脱稿を無事に終え、東京を深夜バスで脱出し、東北各地を飛び回っている高橋博之です(新書は8月に光文社から出ます)。

昨日は、山形県の米子漁港へ。鈴木剛太くん、31歳。はえ縄漁師です。山形県漁連の「はえ縄・一本釣り」部門で3年連続水揚げナンバーワンの腕前。驚いたことに、彼のいる浜は、ほとんどが1代目漁師なんです。漁業の特性上、地縁血縁のないよそ者はなかなか参入するのが難しい世界ですが、ここの漁師は1代目だらけ。剛太くんも1代目です。

愛知のトヨタの工場で働いて派遣切りにあって、Uターンして漁師になったという30歳の男性や、建築の世界から50代で漁師に転職した人など、いろいろでした。いずれも、山形県の支援事業が奏功してのことらしいんですが、剛太くんはこれだけでは将来的に漁師を増やすことはできないと考えていました。子どもたちが漁師を目指すようにならないと、と。

で、彼は獲ってきたマグロを地元の幼稚園で解体して見せたり、幼稚園にある水槽に大きなやどかりを持ってきて入れて見せたりして、子どもたちに海の世界の魅力と素晴らしさを伝えています。そうでもしないと、最近の漁村の子どもたちは海に触れる機会がないので(親が危ないからと近づけさせない)、海や漁業に興味を持てない。それを心配していました。

最近、田舎の子どもたちも土に指一本触れずに大きくなり、都会に出ていきます。なぜか。親が汚いからと触らせないからです。その土が私たちの命を支える食べものを生み出してるというのに。石川県の小学校の農業体験実施率は100パーセントだそうです。強制にでもしないと、目の前に田んぼや畑があるのに、その世界を知らないまま終わってしまうと、担当者は話していました。

話がそれました。いやー、にしても、久しぶりにすんごい漁師に出会いました。昨日は最後、意気投合し、6時間ハイボール飲みながら語り合いましたが、ずっと興奮しっぱなしでした。これは、東北食べる通信でやらないわけにはいきません。その興奮冷めやらぬまま、今日は新潟県沿岸部をぐるっと回りながら、山形県小国町に向かいます。伝説のマタギに会いに。。。

編集長 高橋